第1回「ネットワークによるサービス」
これから学ぶコンピューターネットワークに関する基礎について整理し、接続されるコンピューターやネットワークの分類、ネットワークにより提供されるサービスについて学ぶ。PCやモバイル端末、メディアプレーヤー、AV機器、生活家電、自動車といったネットワークに対応した端末を結ぶために用いられるコンピューターやネットワークについて学ぶとともにネットワークが提供する仮想世界や実世界との関係、生活支援などについて考える。
第2回「ネットワークの規模と通信」
ネットワークは単独で利用されることは少なく、他のネットワークと接続して利用されることが一般的である。ネットワークは規模によって分類されており、お互いに関連しあって通信が行われることや、それぞれの役割について、有線ネットワークと無線ネットワークに分けて考える。また、ネットワークを考えるための基礎知識について学ぶ。
第3回「通信モデル」
有線LANや無線LAN、WiMAXや携帯電話通信網など、異なる通信規格を用いたネットワークを用いても、インターネットへの接続や通信が可能である。これは、通信規格の持つ機能が階層で整理されており、層ごとに交換が可能になっているためである。通信の種類について学んだ後、異機種間のデータ通信を目的として作成されたOSI参照モデルについて紹介するとともに、インターネットで用いられているTCP/IPについて学ぶ。
第4回「ネットワークと端末」
ネットワークにはPC、モバイル端末、デジタル家電といったさまざまなモノとなるコンピューターが接続される。機器の構築で用いられるコンピューターのしくみや、頭脳となるプロセッサーの種類、これまで学んできたネットワーク機能のコンピューターへの実装について学ぶ。また、音楽や映像などのコンテンツや機器の制御、センサー情報といった、ネットワークの導入が利用形態の変化につながるサービスについて考える。
第5回「通信プロトコル」
インターネットにおける通信は、インターネットプロトコル(IP)が基本である。そして、IPによる通信に対して通信品質を保証するTCPやUDPと呼ばれるプロトコルが適応され、様々な通信が実現されている。
インターネットプロトコルについて学んだ後、TCPやUDPの働きについて理解するとともに、TCPやUDPに基づいて構築されたデータ通信や制御、マルチメディア配信等で用いられるプロトコルについて学ぶ。
第6回「コンピューターの利用形態」
コンピューターをネットワークに接続し、利用する形態について学ぶ。集中処理や分散処理、分散処理から集中処理への回帰としてクラウドコンピューティングについて理解する。そして、ネットワーク上で用いられるコンピューターの活用形態として、グリッドコンピューティングやユビキタスコンピューティングについて学ぶ。
第7回「有線ネットワーク」
有線ネットワークの構築と運用に関する基本となる知識について学ぶ。パケットを中継するネットワーク機器であるリピーターやブリッジ、ルーターのはたらきについて学んだ後、構築されたネットワークの通信で作成される通信路について、端末間の通信や、端末のネットワークへの接続、WANとの通信を例に考える。そして、通信路と伝送路や、コンピューターの利用と通信速度、LANケーブルや有線LANの規格について考える。
第8回「無線ネットワーク」
無線ネットワーク構築と運用の基本となる知識について学ぶ。電波と周波数や変調、電波の特性を説明し、無線LANで用いられる周波数帯やチャネルについて理解する。そして、インフラストラクチャーやアドホックといった無線通信の形態、構築のための機器などについて学ぶ。また、無線ルーターを構成する技術であるソフトウエア無線や、無線LANの規格、高速化のための技術について考える。
第9回「ホームネットワーク」
家庭でのコンピューターを活用したネットワークとして、ホームネットワークについて紹介する。ネットワークにPC、モバイル端末、家電などの機器を接続し、統合的なサービスを実現するしくみについて学ぶ。プロトコルが異なるネットワークどうしを接続するゲートウェイ(GW)や、使いやすいネットワーク環境を実現するために必要となるプラグアンドプレイ、用途に応じた通信規格の選定などについて考え、
第10回「近距離無線通信」
LANよりも狭い範囲でネットワークを構築する近距離無線通信について学ぶ。コンピューターと周辺機器を接続する方法として、マスタースレーブ型の通信や、近距離通信の規格や種類について見る。その後、コンピューターと周辺機器を接続する無線PANとしてBluetoothについて学ぶ。クラシックBluetoothとBluetooth Low Energyの2種類について見る。
第11回「モノをつなぐネットワーク」
モノとモノをつなぐネットワークとして、M2Mについて学ぶ。ネットワークの利用主体について整理し、IoTとの関連を考えた後、M2Mアーキテクチャーについて学ぶ。その後、M2M型の通信や省電力広域無線通信技術(LPWA)について学んだ後、HEMSで用いられるスマートメーターの通信を例に、M2Mによる通信について学ぶ。そして、IoTやユビキタスコンピューティングを実現するために、実世界の情報を反映するために用いられるセンサーについて紹介し、センサーの利用やセンサーをつなぐネットワークであるZigBeeやZ-Waveについて考える。
第12回「クラウド上のコンピューター」
クラウドコンピューティングでは、仮想化技術を用いてネットワークの中に仮想マシンと呼ばれるコンピューターが置かれる。そして、さまざまな情報を集約して解析を行い、利用者の端末で情報を利用する。コンピューターをネットワークに置くために必要となる仮想化技術や、提供されるサービスの構築や利用について学ぶ。仮想マシンを用いたサーバーやネットワークの構成について見るとともに、クラウドコンピューティングの形態について学ぶ。
第13回「車載ネットワークとITS」
ネットワーク技術の応用として、コンピューターが数多く搭載されるようになった自動車に関するネットワークについて考える。これまでのカーナビゲーションシステムによる交通渋滞の提供だけでなく、自動車にカメラなどのセンサーを搭載し、コンピューターどうしをつなぐ車載ネットワークとの連携により、自動ブレーキなどの高度な運転支援システムが提供されていることを学ぶ。また、プローブデータと呼ばれる交通情報などのデータ収集と活用の事例や、ユーザーインターフェースの高度化、スマートフォンなどとの連携についても学ぶ。
第14回「ネットワークサービスの構築」
ネットワークを使ったサービスの利用や構築について概説する。開発で考慮する利用者の視点や、構築の視点について考えた後、ネットワークをまたぐ通信について考える。グローバルアドレスやプライベートアドレスといったネットワーク構築で用いるIPアドレスの種類について学んだ後、インターネットにおけるネットワークどうしの通信や、インターネットからホームネットワークへの通信について考える。
第15回「ネットワークと私たちの生活」
これまで学んできた内容をとりまとめ、今後のネットワークによるサービスの高度化について考察する。ネットワークに接続されたコンピューターやセンサーなど多種多様な機器から得られたさまざまな情報を活用するサービスについて学ぶ。その後、ネットワークに多数の機器を接続するために必要となるIPアドレスについて見る。現在のインターネットの主流であるIPv4から膨大なアドレスを持ったIPv6への移行について考え、ネットワークサービスへの影響について考える。最後にインターネットで重視される標準化や、サービスの構築や活用の際に用いられるオープンソースやオープンデータについて学ぶ。
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